午前4佐藤訪米監督『NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇』

2023年4月1(土)日より 新宿K’s cinemaほか全国順次公開!
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INTRODUCTION
1989年結成以降、中心人物である不破大輔を除き離合集散を繰り返しながら、現在も活動を続ける孤高の世界的ビッグバンド「渋さ知らズオーケストラ」。フリージャズを基調としつつ、ダンサー、役者などが舞台を彩り、総勢30人を超える熱狂的かつカオスなステージは唯一無二だ。本作は、不破自身がその原点や印象深いエピソードを語るとともに、黎明期の元メンバーたちがこのバンドで過ごした時間と演奏を振り返りつつ、謎に包まれた「渋さ知らズ」の実像に迫るドキュメンタリーである。
元メンバーでもある佐々木彩子が、ナビゲーターとして渋谷毅、林栄一、のなか悟空、加藤崇之、山本精一、不破大輔らジャズ・アバンギャルドシーンのレジェンドたちと対話を重ね、彼らとその場でセッションを繰り広げるのは本作の見どころのひとつ。監督を務めたのは、2019年に音楽史に名高い京都大学西部講堂での「渋さ知らズオーケストラ〜天幕講堂渋さ西部大祭」を記録した佐藤訪米。渋さ知らズ結成当時から不破と交流を続け、30年の歳月を経て遂にこのドキュメンタリーに結実した。
「渋さ知らズ」とは何か―? それはひいては集団とは、個とは、自由とは、愛とは何かを問うことでもある。夢こそまこと、消えてはあらわれ、そして何度でも生まれる「渋さ知らズ」≒不破大輔が、探求し続ける音楽と生き方を是非、見届けて欲しい。
DIRECTOR'S STATEMENT
2019年、結成30周年をむかえた「渋さ知らズ」。
京大西部講堂におけるライブ撮影に始まった今回の作品は、不破大輔さん、佐々木彩子さん、私と、三者の視点をあわせて渋さ知らズの軌跡をふり返るとともに、次なる“渋さ”の展望を垣間見たものです。ミュージシャンたちは撮影当時のコロナ渦、ライブ活動もままならない状況でした。ライブハウスはもちろん、飲食業や劇場をはじめ、ほとんどの業種において厳しい時期だった。皆が皆、生活することを脅かされていたのです。私たちが表現できることはなにか。それはなりふり構わず「生きる」ということでした。すなわち“ライブ”です。すべての生きる人々に忘れて欲しくない一瞬です。
佐藤訪米
PROFILE
佐藤訪米さとう・ほうべい
監督
1969年生まれ、兵庫県出身。15才の時はじめて8mm映画を作る。
89年、8mm短編『West Riverに浮かんだSax奏者の叫び』を監督。フェダインの磔磔ライブで初上映。つづく『錆色の河に沈む太陽の詩人に口無し』(92年/8mm)は、中野武蔵野ホール、名古屋シネマテーク、シネ・ヌーヴォ梅田などで上映される。
その後、福居ショウジン監督、日活出身の鴨田好史監督の助監督を務める。ふたたび監督した『なまにえの鬼の都や渋さ知らズ』(94年/8mm)は、93年の渋さ知らズオーケストラ初の関西ツアーを追った実録ライブ映画。また、松井良彦監督とチームを組み、太秦の撮影所スタッフらと自主製作した監督作品・16mm劇映画『京極真珠』は97年全国劇場公開。音楽は不破大輔。99年にかけて上映ツアーとアンコール上映を継続した。
2000年、京都祇園で「中華そば みみお」創業。17年より映画、音楽、演劇等の複合企画「勝手にみみロック・フェスティバル」をプロデュース。現在、本作の姉妹編となる実録ライブ映画『続・なまにえの鬼の都や渋さ知らズ』の製作準備中。
佐々木彩子ささき・あやこ
出演
1975年生まれ、東京都出演。2歳で自由にピアノを弾き唄う楽しさに目覚め、武蔵野の自然の中、音楽と本と映画に親しみながら育つ。95年、大駱駝艦舞踏手だった星野建一郎らと舞踏グループ『大豆鼓ファーム』を結成。初期は東京の路上でゲリラライブ、後に洞窟や森や川や田んぼなど野外に巨大な舞台を建築、毎年ひとつの作品を作り、公演を行った。
踊る人形作家の村上三月主宰『イヌイットイヌーク』で音楽担当。
96年から約8年間、「渋さ知らズ」で活動。バンド内の愛称はCHAN。大小編成の日々のライブ、天幕旅、フジロックフェスティバル、欧州ツアーなど、怒涛の日々を過ごす。『CHAN BAND』では国内、ドイツメールスジャズフェスティバル、ロシアでライブ。不破大輔、山本精一との3人ユニット『ザ・トリオdeフォークジャンボリー』ではフジロックフェスティバル苗場食堂でライブ。その他劇団風煉ダンス舞台『悪漢』『快速船』『アンデルセンの卵』、映画『ひかりのおと』(11年)『新しき民』(15年、共に山﨑樹一郎監督)で音楽担当、大人計画舞台『ニンゲン御破算』(18年)に楽曲提供。
不破大輔ふわ・だいすけ
出演
フリージャズのベース弾き。「渋さ知らズ」主宰。
「風煉ダンス」「翠羅臼」「呉一郎」「発見の会」「戌井昭人」などのアングラ芝居劇音楽作曲演奏。
「フェダイン」、「渋さ知らズ」、佐々木彩子『あおいとこ』『空』、南波トモコ『おっぱい』、玉井夕海『Mother Sun』などアルバム制作多数。最近はギター片手に歌うこともあります。
渋さ知らズオーケトラ
出演
1989年、アングラ創造集団“発見の会”の公演「リズム」の劇伴を依頼された不破大輔が、「客席が空席だらけでみっともないので、バンドマンをたくさん集めて埋めてほしい」との提案を受け、結成。そして吉祥寺曼荼羅にて初ライブ。ダンサーチームも帯同し、ジャズ、ロック、フォーク、歌謡曲など多彩な音楽性を備えたバンドに発展。93年4月1日に初音源を発表。舞台美術家も加わり、巨大なオブジェがステージに登場するようになる。94年以降“天幕渋さ”と呼ばれる全国テント公演を実施。そして98年から数年にわたりワールドツアーを開始、ヨーロッパを中心に各国を巡業。2001年にはフジロックフェスティバルに初出演、絶賛を浴びて常連となる。またライブアルバム『渋旗』を発表。2006年、ベストアルバム『渋全』をエイベックスから発売し、メジャーデビュー。現在もライブを軸に精力的に活動中。
出演
渋谷毅しぶや・たけし
林栄一はやし・えいいち
加藤崇之かとう・たかゆき
大友良英おおとも・よしひで
山本精一やまもと・せいいち
のなか悟空のなか・ごくう
スズキコージ 
片山広明かたやま・ひろあき
金平茂紀かねひら・しげのり
渡部真一わたべ・しんいち
戌井昭人いぬい・あきと
山下敦弘やました・のぶひろ
高岡大祐たかおか・だいすけ
登敬三のぼり・けいぞう
伊郷俊行いごう・としゆき
THEATER
都道府県 劇場 公開日
東京 新宿K’s cinema 4月1日(土)